脳出血に関与する虫歯菌

止血作用を阻害する ブラック ミュータンス菌 とは

虫歯の原因となる「ミュータンス菌」のなかに、人体の止血作用を阻害する特殊なタイプのミュータンス菌があり、脳出血の発症にも関与していることを国立循環器病研究センターや京都府立医大、大阪大のチームが突き止めました。

血液中にある血小板は、傷口などに集まって出血を止める働きがありますが、そのミュータンス菌は、血管壁のタンパク質「コラーゲン」と結合し、血小板の止血作用を妨げる特性を持ちます。脳出血患者の唾液に含まれるこのタイプのミュータンス菌を調べたところ、血管壁のコラーゲンと結合する能力が高い菌を持つ患者ほど、脳内の出血部位が多かったそうです。

ミュータンス菌は口の中の血管から血流に乗り、脳の血管に到達。そこでコラーゲンに結合して炎症を起こし、止血作用を妨げたり血管をもろくしたりして、脳出血が引き起こされます。

虫歯菌というだけでも悪者なのに、さらに悪さをするとは許せない菌ですね。虫歯菌ってうつるものですし、その特殊な菌はうつされない限りは通常いないものなのか心配です。脳へのダメージは他の神経系統にまで大きく影響を及ぼしますから、今後の研究が進み、もっと詳しく解明され対策されていくことを望みます。