月経前不快気分障害(PMDD)

月経前不快気分障害(PMDD)とは?

月経前症候群(PMS)の症状のうち、ココロの症状が特に悪化して日常生活に支障をきたすような症状を月経前不快気分障害(PMDD)といいます。うつ、気力の減退をベースに、絶望感にとらわれたり、涙がとまらなくなったりする人も。
反対に、イライラしたり、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりする人もいて、感情のコントロールが難しくなります。感情の爆発を周囲にぶつけると、人間関係や社会活動にも支障をきたし、周囲の方にも理解されにくく、ひとり悩んで辛い思いをする人も少なくありません。

どのような症状が?

月経前不快気分障害(PMDD)では、感情面と身体/行動面の症状がいくつも合わさって認められます。そして、これらの症状が月経前に限定して出現することがこの疾患の特徴です。月経が開始すれば症状はゼロか、ほとんど消失し改善することが多いようです。

■感情面の症状
・著しく不安定な気分(例:急に悲しくなる、涙もろい、拒絶されることへ敏感になるなど)
・著しくいらいらする、怒りっぽくなる、対人関係で摩擦が増える
・著しく気分が落ち込む、絶望的になる、自分を責めてしまう
・著しく不安や緊張を感じる、高ぶりや苛立ち

■身体/行動の症状
・普段の活動が億劫
・集中しづらいと感じる
・倦怠感や疲労感がかなり強くなる
・食欲が大きく変化する(過食、特定のものを無性に食べたくなる)
・眠れない、または寝すぎてしまう
・コントロールできないという感覚
・乳房の圧痛や腫れ、関節痛や筋肉痛、体重増加、むくみ

上記のような症状が複数以上、ほとんどの月経周期でみられます。そして、そのために非常に強い苦痛、仕事や学校、社会的な生活な日常生活で大きな支障をきたす場合も。仕事ができなくなる、休んでしまう、学校に行けない、家事ができない、夫婦間の不和や、子供や他の家族、友人との問題という自分以外との関係性で現れることもあります。

対策

◇セルフケア
まずは自分の体の変化を知り、自分に合ったセルフケアを取り入れ、健康的なライフスタイルを心がけましょう。

◇バランスの良い食事・サプリメント
果物・野菜など食物繊維の多いものや、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA、α‐リノレン酸)を積極的に摂り、オメガ6脂肪酸(揚げ物、マヨネーズ、スナック菓子、カップ麺)、砂糖、塩、カフェインとアルコールを減らします。そのほかの栄養素として、ビタミンB6(玄米・豆類、青魚・マグロ・鮭、レバー、豚肉、ニンニクなど)、ビタミンD(しいたけ・きのこ類、青魚、鮭、卵など)、マグネシウム(ナッツ類、海藻類、大豆製品など)、カルシウム(こまつな・葉ダイコンなどアブラナ科の野菜、小魚、乳製品など)を積極的に摂りましょう。食事以外でも栄養素の補充としてサプリメントという選択もあります。
PMS・PMDDに向けたサプリメントがあるようです。
サプリメント類は薬と併用できないケースなどもありますので、使用の際にはかかりつけ医に相談されることをお勧めします。

◇適度な運動・リラクゼーション
散歩・ウオーキング・ストレッチなどは気分転換や全身の血流の改善になり、心身の不調の改善に役立ちます。ヨガ・深呼吸、アロマオイルやハーブティーなどはリラックス効果もあります。

◇カウンセリング
臨床心理士や婦人科・精神科・心療内科の医師による面談を通して、自分の症状への理解を深め、不安を取り除くなどのサポートを得られます。
PMDDは日常生活に支障をきたすほどの重症の精神症状がみられるため、うつ病や不安障害などに効果があるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬が有効だといわれています。
身体症状がほとんど見られず、精神症状が重症の場合は精神科・心療内科も視野に入れては如何でしょうか。イライラや不安感、孤独感、喪失感などの症状には抗不安剤(精神安定剤)を処方してもらいしばらく様子を見ることもあるようです。

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