秋の旅路

万葉の時代から親しまれた植物

こんにちは、スタッフのながやんです。
10年ほど前、秋の七草の一つ『藤袴(フジバカマ)』を庭に植えました。
当時なんの知識もなく、「庭に植えたらいい感じかな」くらいの感覚で春頃植えました。夏の暑さにも負けずどんどん大きくなり、9月には1m程の背丈に成長。薄いピンクの小さい花がたくさん開花し、感激したのを覚えています。
数日後、フジバカマの周りを見たこともない蝶が二羽、フワフワと優雅に飛んでいます。近づいても逃げずにフワフワしたり蜜を吸ったり、次の日も次の日もフジバカマの周りを舞っていました。
調べてみると、『アサギマダラ』という名の蝶。

”旅する蝶”

アサギマダラの羽は、鮮やかな薄い青緑色で、ステンドグラスのようなまだら模様。羽を広げたときの大きさは10cmほどになります。
春には南から北へ移動し、秋には北から南へと移動する「海を渡る蝶」「旅する蝶」として知られてい、春に暑さを避けて台湾や南西諸島から本州へと渡り、秋には、逆に本州から台湾や南西諸島へと渡ります。約2,500kmの旅をする蝶。1日に200kmを移動したという記録もあるそうですーーー。小さなカラダで凄い!凄すぎる!!

そんな凄い蝶が、なぜ家の庭に?

アサギマダラなどの蝶は、フジバカマの花の蜜などに含まれる、ピロリジジンアルカロイドという物質を摂取する必要があるそうなんです。ピロリジジンアルカロイドとは、雄が雌を誘うフェロモンを作るのに必須の物質で、フジバカマの花などからピロリジジンアルカロイドを摂取できないと、アサギマダラなどの蝶は、交尾をしないらしいという実験結果もあるそうです😳
アサギマダラにとってフジバカマの花は、単に好きとか嫌いという存在ではなくて、子孫を残すには蜜を吸う必要があるという大事な植物なんですね!
そんな壮大な理由で、わが家の庭にも来てくれるアサギマダラ様。毎年いろんなところで咲くフジバカマを渡りつつ旅を続けているので、毎年は飛来しませんが。先日2年ぶりに、一羽のアサギマダラが蜜を吸って優雅に舞っている姿を確認しました。わが家の秋の楽しみの一つなので、飛来して来てくれると嬉しいものです。

余談ですが、最近はあの人気漫画『鬼滅の刃』にも出てきているそうです。