子宮筋腫について

子宮筋腫とは

子宮の壁にできる良性の腫瘍(しこり)のことです。子宮の壁は平滑筋という筋肉でできているため、“筋腫”と呼ばれます。
悪性腫瘍(がん)のように周囲の組織を破壊しながら急激に大きくなったり、他部位に転移したりすることはありませんが、発症すると徐々に大きくなって下腹部痛や貧血などの原因になることも少なくありません。
子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなることが知られており、女性ホルモンの分泌が盛んになる20歳代頃から発症しやすくなるといわれています。悪性腫瘍に変化することはほとんどなく、症状の深刻度や治療の時期も人それぞれ異なります。しかし、妊娠を考えている女性には、子宮筋腫が不妊の原因になることもあります。なぜできるのか、その原因ははっきりしていませんが、卵巣から分泌される女性ホルモンが影響し、筋腫が発育すると考えられています。ですので、閉経を迎えて女性ホルモンの分泌量が激減すると徐々に小さくなっていくことが分かっています。

主な症状は?

◆過長月経、月経過多、貧血
月経が長くなったり、月経の出血量が多くなったり、レバーの様な血の塊がたくさん出ることがあります。粘膜下筋腫に多く見られ、出血が多いと貧血を起こすこともあります。

◆不正子宮出血
月経の時以外に出血がみられることがあります。粘膜下筋腫に多く見られ、出血が多いと貧血を起こすこともあります。

◆月経痛(月経困難症)
月経時に下腹部痛や腰痛、頭痛などが起こります。粘膜下筋腫や筋層内筋腫に多く見られます。あまりにひどいときには子宮内膜症や子宮腺筋症の合併が疑われます。

◆圧迫による頻尿・便秘など
大きくなった筋腫による圧迫で、頻尿や便秘などが起こることがあります。

◆おりものの増加
月経が終わっても黄色みがかったおりものや血の混ざったおりものが出ることがあります。粘膜下筋腫に多く見られますが、その他にも多くの原因が考えられます。

症状はできる場所と関係があります。子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなります。
逆に子宮の外側にできた筋腫は大きくなっても症状がでない傾向があります。そのため、治療必要かどうかもできた場所や症状によって異なってきます。

 

● 筋層内筋腫
子宮壁を構成する平滑筋という筋層内にできる筋腫。子宮筋腫のうち、大きな割合をしめるタイプ。小さいものならほとんど症状が出ないですが、大きくなると月経時の経血が増えたり、不妊の原因になることも。

● 漿膜下(しょうまくか)筋腫
子宮壁の最も外側にでき、外に向かって大きくなっていき、子宮から突出してしまうケースもあるようです。他の筋腫と違って、過多月経や貧血などの症状が出ないため、気がつきにくい。筋腫が大きくなると膀胱や直腸など他の臓器を圧迫し、頻尿や便秘をおこすこともあります。

● 粘膜下筋腫
子宮の内側に向かって筋腫ができる。子宮内膜に筋腫の栄養血管が露出し、月経時などに大出血しやすくなります。また、過多月経になるので貧血が強く出ることが多く手術が選択される場合もあります。受精卵が着床しにくくなり不妊症の原因になることも。

● 頸部筋腫
子宮の腟側にできる筋腫。大きくなると過多月経になり、貧血状態が強く出る場合もあります。その段階で手術が選択されることも。

子宮筋腫の治療

最適な治療を選ぶには、子宮筋腫の正確な大きさや位置(特に子宮内膜への干渉)、最も期待する効果(例えば妊娠や貧血の改善)、その効果をもたらしうる最善の治療法とその効果持続期間や合併症などについて、よく検討する必要があります。
従来は、にぎりこぶし以上の子宮筋腫は手術が勧められ、画一的な治療が行われてきたようですが、現在は子宮筋腫の診断精度が向上し、画期的な治療機器の開発により治療法も多様化し、保存的治療としての漢方も見直されています。
手術療法を選択する場合でも、子宮鏡下手術から、腹腔鏡手術、開腹手術がありますが、それぞれで入院・休業の日数・費用は異なります。
また、妊娠を希望するか、再発しない確実性を重視するか、閉経までの長い期間、服薬や通院をしてでも手術は回避したいなど、それぞれにこだわりや事情があると思いますので、個々の希望やライフスタイルに合わせた治療法が選べる時代になってきています。
無症状なら治療は不要ですが、子宮筋腫の大きさ,位置,数,はさまざまで、症状も個人差が大きいものですから、適する治療法はひとりひとり異なってきます。

 

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