女性特有の内分泌疾患

女性の体は女性ホルモンに支配されており、最も大切なホルモンといっても過言ではありません。
その分泌パターンによっていろいろなことが症状として現れ、ある一定の年齢を超えると女性ホルモンが減ることでコレステロールが増えたり、病気になりやすいという傾向もあります。しかし、若いときは若さが病気を跳ね除けているということもありますが、それが老化によって難しくなっていくという面もあります。

ホルモンはからだの中の内分泌腺というところで作られています。
内分泌腺には、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副じん、すい臓、生殖腺などがあり、それぞれにちがったはたらきのホルモンが作られています。ホルモンは血液によって全身に送られ、内臓の機能やからだの調子を整えるような、さまざまなはたらきをしています。

ホルモンの分泌が少なくなると?

「更年期障害」

閉経前後に卵巣の機能が急に低下し、ホルモンの分泌が少なくなることが原因で、頭痛・ほてり・のぼせ・どうき・肩こり・腰痛・大量に汗をかく・不安になる・イライラする・ゆううつになるなど、さまざまな症状があらわれます。また、精神的なストレスの影響も原因のひとつと考えられています。症状に個人差がありますので、気になる症状がある場合は自己診断する前に、他の病気が隠れていないかよく調べた上で、女性ホルモンなどの検査をする必要があります。
原因をよく知ってから、飲み薬・漢方薬やプラセンタ注射、ホルモン剤などで専門医と共に治療していく事が最善の治療法となります。

「橋本病」

中年女性に多くみられ、知らず知らずのうちに少しずつ甲状腺ホルモンが低下して行く病気です。甲状腺は首のところ、気管の前に張り付いている蝶型をした臓器で甲状腺ホルモンを分泌しています。このホルモンは、熱を産生したり栄養の代謝を調節したりして体全体の調子を整える働きをしていますから、ホルモンが不足すると、寒がりになったり肩こりがきつくなったり、便秘がひどくなったりして、なんとなくしんどい状態になりやすいのです。また、甲状腺ホルモンの不足が、不妊や流産の原因になることも…。若年者にも発症する場合がありますので、結婚&出産適齢期の女性はきわめて要注意です。

全身のむくみ、体重増加、のどの腫れ、のどの違和感、やる気がない、寒がり、皮膚の乾燥、汗が出ない、徐脈傾向、声のかすれ、物忘れ、便秘、頭がボーとする、動作緩慢、眠け、脱毛、生理不順、高コレステロール血症、肝機能障害などの症状がみられます。
更年期障害の症状にも似ていますが、ホルモン補充療法を受けると改善されるそうです。

ホルモンの分泌細胞が多くなると?

「バセドウ病」

甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されておこる病気です。 女性では100人に一人位にみられます。大量の甲状腺ホルモンにより全身の代謝が過剰に活性化されるためにさまざまな症状があらわれます。食欲が旺盛になり、たくさん食べられても、体重は減少します。些細なことにもイライラしたり、おこりっぽくなることもあります。暑がりになる人もいます。 疲れやすくなり、動悸がながく続いたり、トイレの回数が増えます。手がふるえて文字が書きづらくなるなど、身体にふるえが出るようにもなります。バセドウ病を治療しないまま妊娠すると、流産や早産が増えるとの報告もありますので、事前にホルモン値を測って必要であれば、治療を開始しておくことが肝要になります。

女性の場合、内分泌環境が大きく変わる人生イベント(月経、妊娠、出産)があるため、比較的内分泌疾患が発見されやすいといわれています。
気になる症状を感じた場合は、内分泌内科、内分泌代謝科、内分泌外科を受診するのがいいでしょう。